企業の守護神的存在を目指す大阪府大阪市淀川区の社会保険労務士事務所です。

経営コラム PART3

日頃の実務で思いついた経営のヒントになるような事をコラム形式でご紹介しております。企業経営者の皆様は是非、ご覧下さい。

労務の専門家として腕の見せどころ

 4月からは育児介護休業法の改正や中小企業様にとってはパワハラの防止義務化といった労働施策総合推進法の改正の施行があり、就業規則の改定作業に追われた先生方は多かったのではないかと思います。

 更に4月は女性活躍推進法の改正で女性活躍の情報公表の義務の対象が労働者301人以上から101人以上の事業主に拡大されたことで、対象となった企業様への対応等もあったと思われるので、4月5月は実務家にとっては新法改正と新入社員、退職社員の入退社手続きのラッシュと重なり、繁忙期となります。

 その時期を経て6月になってからも労働保険の年度更新、7月からは社会保険の算定基礎手続きと手続き業務は繁忙期が続きますが、手続き業務以外での社労士が活躍すべき局面について考えたいと思います。

 まずは、企業経営者の人に関する悩みですが、新入社員が4月に入ってきて、研修を経てそろそろ配属先が決まる時期かと思いますが、配属先で上司や同僚となじめず、人間関係の煩わしさから早期退職してしまう新卒社員が毎年、後を絶たないようですが、研修で何をやっているかにもよるのかなと思います。

 一般的に、その企業の業務に関係する実務的な研修から座学的な研修を組み合わせたり、様々な取り組みが企業で行われていると思いますが、人間関係構築のスキルを高めるような研修というのはあまりないのかもしれませんね。

 この人間関係構築のスキルを高めるような研修は、専門的な機関があるわけでもなく、そういったサービスを提供している会社もないわけではないでしょうが、優れたサービスかどうかは客観的に判断はつきにくいので、社労士が日頃の労務管理のアドバイスから派生して新入社員の研修に取り入れたら効果的なものを提案できると、よりクライアント・顧問先企業の信用を得られるのかなと思います。

 ここで具体的な提案内容については、今までの実務経験や人生経験、知見に基づいて捻り出すものなので、個々のクライアント企業ごとで違いますし、社労士ごとで発想が違うので、一概に特定した内容ではありません。

 だからこそ、その提案した内容が採用された時にどのような効果を発揮するかどうか社労士という労務管理の専門家の腕の見せどころとも言えます。

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人間の使命を改めて感じさせた1年

 今年一年間は、コロナ禍ということもあり、できるだけ対面での会議や営業活動ではなくリモートやWEBでの会議や商談などを余儀なくされた社会人の方が多かったと思います。

 そこで、やはり意思の伝達はリモートでは難しく、対面で実際あって会話することでないと伝わりにくいと実感された方もいるでしょうし、対面の営業活動などでは移動の時間がかかったり場所を拘束されたりするので、リモートでは移動や場所が関係ないので便利な面もあってメリットも大きいと感じた方もいるの思うので、対面とリモートどちらがベストかはケースバイケースかなと個人的には思っています。

 実感としては、契約を決める商談をしに行くクロージングの場面では、契約の相手となる方に自分の情熱や提供するサービス等の価値や存在感を強い印象で伝えないといけないので、インパクトの残るプレゼンテーションをするには対面が向いていると言えます。

 また、定期的に開かれる会議やミーティングは必要なメンバーの時間調整がつきやすいのは圧倒的にリモートであるし、外出中や自宅にいながらのテレワークでも参加できたり、他の作業や業務と並行してできる機動性と合理性から断然リモートのほうが優位性があると言えます。

 今までは、対面式とリモートという営業活動や会議・ミーティングの時の手法を比較してみようという機運もなかったので、従来型の対面式が文化というか当たり前のように思っていた人が多いと思いますが、これからはリモートを十分活用してきた実績があるので、対面式とリモートを上手く使い分けて、効率的な業務運営ができるようになっていくのかなとは感じています。

 人間は、従来のやり方を変えるという変化を嫌う性質があるので、大きなきっかけがないと改革はなかなか進まないものですが、ある意味、コロナ禍というような未曾有のパンデミックというものを契機に、行政のシステムや企業の内部システムも一気にデジタル化が進み、より早くより正確に事務作業が行われるようにはなります。

 ただし、それによって今まで人間がやっていたことを、AIが代替することで失われる仕事があるという負の側面も指摘されていますが、人間に必要とされる仕事がよりクリエイティブでより緻密なものに絞られるので、却って生き残りのために更にクリエイティビィティを高める努力をするようになると思うので、人間が更に無限の可能性にチャレンジして、進化していくかもしれません。

 考える頭脳をこの世に授かった人間の使命は、やむことのない頭脳を生かした新たな仕組みを生み出すことなのでしょうね。そんな人間の使命を改めて感じさせた一年となりました。

真の実力が試される時代

 コロナ禍においては、社会保険労務士としては雇用調整助成金をはじめとする雇用に関する助成金申請に奔走しておりましたが、最近の感染者数の減少と飲食店の時短営業解禁により、雇用調整助成金における特例措置は来年の令和4年3月末までの延長という方針で一旦、終止符となりそうな様相です。

 まあ、このコロナ禍においては、日本の雇用の維持を守るための防波堤といいますか、最後の砦として雇用調整助成金はフルに機能してきたと思います。

 当初は、手続きの奔雑さ等の課題が指摘されましたが、手続きの簡素化により使い勝手も改善され、事業経営者にとっては、企業経営にとってなくてはならない制度となったのではと専門家としては実感しております。

 それゆえ、この制度を所管する厚労省をはじめとする労働局の職員の方々と専門家である社会保険労務士はこの制度の維持発展に向けて、しっかりと今後も連携していく必要性を強く感じております。

 そして、社会保険労務士としては、企業経営者にとって、雇用の面からの様々なサポートを受けられる頼りになる専門家として、今後も労務の知識や制度の理解、労務設計の提案力向上に磨きをかけていきます。

 コロナ禍を経て、日本国民は真に生活や仕事や暮らしに必要なものは何かを思い知らされ、そのかけがえのない存在になるためにサービス提供者側である事業者や専門家や働き手がどういった能力や技術や知識や徳を積まなければ人々の役に立てないのかも思い知らされたと思いますので、アフターコロナを生き抜くこれからの時代は真の実力が試される時代に入ったと言えるのではないでしょうか。

生涯を賭して情熱を燃やすライフワーク

 社会保険労務士の仕事は、企業の労務関係のサポートだけでなく、障害年金や遺族年金といった個人の方の社会保障にまつわる手続きも重要な業務としてあります。

 障害年金は、昨今では、精神疾患によって社会生活を送ることが困難になった方にとっての社会保障として、重要なセーフティネットともいえますし、遺族年金に関しても、現役で働いていた方の残された家族の経済を支える重要な手続きであり、社会保険労務士は企業の人事労務だけにとどまらない、このような社会福祉的な役割を担う業務により社会貢献できるやりがいのある仕事とも言えます。

 私が、社会保険労務士を志した理由の一つに、将来的に成年後見人の業務も社会保険労務士が取り扱うとの情報があったので、成年後見人の業務がやりたいというのがあったのもありますので、社会福祉的な仕事への憧れがあったのは事実です。

 社会保険労務士というと、身近な労働者を守るための法律である労働基準法や労災保険法などの法律が試験科目であるので、比較的、社会人経験があれば、とっつきやすいというのもありますが、このように社会的弱者に寄り添う仕事も専門的知識を駆使してできるので、生活の重要な権利を勝ち取ったり、企業や労働者のかけがえのない財産や権利を守る仕事でもあるので、これからも生涯を賭して情熱を燃やせるライフワークとして、日々精進していくと誓う今日この頃です。

 

フリーランサーという働き方について

 フリーランサーという働き方を選ぶ人がこれからますます増えてくるのではと思います。このフリーランサーという働き方は、一見、自由でマイペースで会社組織でいうところの上司に気を使うことも無いので、気楽で楽しそうな感じがして憧れる人が多いのかとは思いますが、実際はそんな甘いものではなく、時間管理や取引先の開拓、経理や仕事の段取りなど様々なことを自分一人でこなさなくてはならず、ミスや売掛金の回収などの責任も全て個人事業主として自分が負わなければならないので、常にプレッシャーとの闘いとなります。

 フリーランサー・いわゆる個人事業主としてこれからスタートしようと考えている人は、まずは自分が本職としてどの分野に特化して事業を始めるのかのビジネスモデルを確立しておくことと、そのビジネスモデルの顧客ターゲットがどこに存在していて、どれぐらいの需要があり、競合する同業者数がそのビジネスを行う商圏にどれくらいいて、その商圏の中でどれくらいのシェアを獲得しないと商売として成り立たないかの分析を行うことが重要です。

 そして、どれくらいの顧客数を獲得する必要があるかがわかったら、その顧客を獲得するために効果的な営業手法は何かを研究し、その営業手法において自分のセールスポイントをいかにして売り込んでいくかの各論まで掘り下げて戦略を練っていく必要があるのです。

 そうすると、営業手法はホームページやDM、知人の紹介、各種コミュニティーに参加しての口コミ営業等さまざまなものの中で、どれが自分のビジネスモデルの顧客ターゲットに一番伝わりやすく、ピンポイントに訴求できるかを分析して絞り込んでいき、その絞り込んだ営業手法によってどうやって自分のセールスポイントを上手くアナウンスできるかといった風に逆算的にデザインしていくのです。

 この逆算的にデザインしていくプロセスに答えはなく、自分のセンスが問われることになりますが、こういった自分の事業を軌道に乗せるプロセスで試行錯誤していく、ビジネス戦略のデザインという作業を楽しめるかどうかが、自分がフリーランサーという働き方に向いているかどうかの全てだと言えるのです。

 
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